FM TIPS
「FM」とは(その5):FMの基本機能/戦略・計画
今回は、前号でお話しした「統括マネジメント」の周囲に「マネジメントサイクル」として配置された「戦略・計画」についてです。
前々号の「「FM」とは(その3)」でお話ししたように、この「マネジメントサイクル」は「Plan Do See」で説明すると分かりやすく、「戦略・計画」は「Plan」に該当します。
「戦略・計画」は、「経営戦略」としっかりと整合をとる必要があります。FMの「戦略」は、「人事戦略」や「財務戦略」などと同列の「個別戦略」のひとつなのです。
この策定においては、まずFMの「現状」をきちんと把握し、将来的に実現可能な「ビジョン」を描く必要があります。この設定された将来的な「ビジョン」を実現するための方針もしくは方向性を示したものが「戦略」と位置づけられます。この「戦略」の表現は、大上段に構えて、ともすれば難解な言葉で語られるケースが多いように感じます。しかしながら、その目的を考えると、FMに関連するインハウスの部署のみならず、私たちのような外部リソース、即ち、「アウトソーサー」を含めたFMに関連する多くの人たちの理解がブレないような平易な表現を採用し、進むべき方向を明確に示す「羅針盤」となることを優先すべきなのではないでしょうか。
次に、「戦略」に従い、将来的な「ビジョン」を実現するための具体的なアクションである「実行施策」を整理し、時間軸に落とし混まれたされたものが「計画」となります。この「計画」の期間は、個々の組織ごとに定義している「中期」と整合を取ることが多いように感じます。1年を「中期」としているIT(もしくは、ICT)系の企業も少なからずありますが、一般的には、5年もしくは3年がボリュームゾーンでしょうか。
この「計画」をまとめたものを「ロードマップ」と呼ぶことがあります。
私たちも、ある企業様の「ロードマップ」作成のお手伝いをさせていただいたことがあります。その際、注意したことは、「総花的にならない」ことでした。ご案内の通り、「FM」の領域は非常に広く、多岐にわたっています。そのような特性から、あれもこれもやらなければならないという観念に囚われてしまいがちです。もちろん、十二分にリソースが確保できれば、それでもいいのでしょうが、通常は限定されたリソースで計画を推進せざるを得ず、「実行施策」の「共倒れ」のリスクを内包してしまいます。「総花的にならない」ためには、「戦略」に基づいた明確な優先順位付が不可欠です。言葉で言うのは簡単ですが、現実には、様々な観点からの検証を行い、他の実行施策との関連性をしっかりと理解しながら、胃をキリキリさせながら行う、高度で苦難を伴う「意思決定」の行為なのです。しかしながら、この「ロードマップ」が完成した時の達成感は非常に高いもので、まさにFM業務に携わる人たちの醍醐味のひとつともいえるのではないでしょうか。
【2011年9月公開】
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