FM TIPS
「アウトソーシング」とは(その1):花田モデル
当社の事業を一言で説明しなければならない場面では、「私たちは施設管理における維持保全を中心としたマネジメント業務のアウトソーシングビジネスをしています」と説明させていただきます。敢えて、「ファシリティマネジメント」は、「施設管理」と表現しているのは、後段の「マネジメント」とかぶってしまい、なにやら、トンチ問答のような誤解を招くことが多いからです。
この説明の中で使っている「アウトソーシング」という言葉は、ここ15年程の間に、一般に浸透してきたと感じています。そして、アウトソーシングする業務の分野も多岐にわたっています。そのひとつが、「ファシリティマネジメント」という分野でもあります。
それでは、「アウトソーシング」とは、何でしょうか。慶應大学の花田光世教授が非常に簡潔で分かりやすい定義をされています。この定義は、「花田モデル」と呼ばれ、FMの関係者の間でも、とてもよく知られています。
「花田モデル」は、2つの軸で「アウトソーシング」の定義を行っています。軸とは、(1)「業務設計」と、(2)「業務運営」、です。「業務設計」とは、どのような仕様で対象業務を行うかを設計、即ち、デザインする行為です。一方、「業務運営」は、自らが必要なリソースをアサインして、対象業務を実施・運営する行為となります。
「花田モデル」では、この2つの軸によって、区分された4つの象限を、以下のように定義しています。
(1)「業務設計」も(2)「業務運営」も行わないのは、「人材派遣」。
(1)「業務設計」は自ら行うが、(2)「業務運営」は行わないのは、「コンサルティング」。
(1)「業務設計」は行わないが、(2)「業務運営」は自ら行うのが、「外注」。
(1)「業務設計」も(2)「業務運営」も自ら行うのが、「アウトソーシング」。
非常に簡潔で分かりやすい定義ではないでしょうか。初めて、「花田モデル」を見たときは、まさに「目からうろこが落ちた」感じを受けたことを覚えています。
この定義によれば、「アウトソーシング」とは、その受託者である「アウトソーサー」が自ら、お客さまで行われていた業務そのものを専門家の立場で業務仕様を再設計し、その仕様にあったリソースを自らアサインして業務の運営まで責任を持って行うこと、という定義になります。したがって、当社を含め、「アウトソーサー」を標榜するからには、単にお客さまから「言われたことをやる」だけでなく、コンサルティングの要素である「その分野における専門家としての知識と技術によって、お客さまのベネフィットを拡大する提案である業務設計」ができることが不可欠な条件となります。
インハウスのリソースだけでは完結しきれない業務が多い中、この「花田モデル」をイメージしながら、社外リソースの活用方法を見直してみてはいかがでしょうか。
【2011年12月公開】
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