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災害対応型自動販売機
昨年5月のこのメールマガジンで、一度触れた自動販売機についてです。前回は、自動販売機の省エネについてでしたが、今回は、「社会貢献型」自動販売機について触れてみたいと考えます。社会貢献型自動販売機は、LEDボードを設置して緊急時にメッセージを流すことができるもの、AEDを搭載したもの、売上の一部を自然保護やスポーツ振興などの活動に寄付するものなどがありますが、「災害対応型」自動販売機にスポットをあててみました。
災害対応型自動販売機とは、大地震など大規模な災害が発生した場合に、自動販売機内の飲料を無償で提供できる機能(フリーベンド機能)が搭載されているものを主に指しています。フリーベンド機能を稼働させると、商品のボタンを押せば、自動販売機内に残っている商品がどれでも無償で入手でき、非常時の飲料として利用できます。
フリーベンド機能を搭載した自動販売機は、主に地方自治体の庁舎を始めとした災害時に避難場所となるような公共性の高い施設に設置されることが多いのですが、最近では公共施設だけではなく、民間企業の施設内にも設置され始めています。これは、東日本大震災を教訓に、本格的に災害備蓄を始めた企業が、不可欠な備蓄品である飲料を自動販売機でも確保しようとしているためです。
では、どのような時に稼働させるのでしょうか。これについて、一定の「決まり」があるわけではありません。ベンダー(※1)との間で、どのような場合に稼働させるかを取り決めておく必要があります。
稼働させる方法も、通信を使った遠隔操作によるものから、手動での切り替えなどの形式があります。また、災害発生時に停電が起きてしまった場合に備え、バッテリーを内蔵しています。
このフリーベント機能を稼働させた際に、提供した飲料水の費用はだれが負担するのでしょうか。これは基本的にベンダーが負担します。
このように自動販売機も単に売るための手段から、社会貢献ができるものへと進歩しています。既に自動販売機を設置している方、今後設置を検討している方は、この「災害型」自動販売機の導入を視野に入れてみるのもいいかもしれません。
もちろん、このフリーベント機能を全く稼働させることなく過ごせるのが一番望ましいのですが、万一への備えとして、身近にあれば、とても心強いのではないでしょうか。(P.Sちか)
(※1) ここでいうベンダーとは、飲料の供給会社を指します。
[2012年8月公開]
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