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BCP(前編)/原点について

先日、日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)主催の「BCPセミナー」に出席しました。会場は多くの各組織ご担当者で賑わい、先日の大震災による関心の高さが伺えました。ファシリティマネジメントを生業としている当社としても、BCPは関わりが非常に強い分野ですので、今月から3回に分けて、伺ったいくつかの話を交えながら、BCPについてお話しします。前編は、「BCPの原点について」、中編は、「製造業におけるBCPのあり方について」、そして後編は、「BCPとFMの相関性について」です。

 

BCPとは何か?/BCPが想定しているものは?

BCP(Business Continuity Planning/事業継続計画)とは、「事業喪失への効果的防止策と組織の回復策を提供するためのハードとソフトを総合的に計画設計すること」です。想定している事態としては、ビル火災のようなローカルな事態、地震や洪水のような地域的な事態、または世界的伝染病の流行のような国家的事態も含みます。さらには、供給元の喪失などの事業が依存している「あらゆる事態」を考慮しなければなりません。

つまり、BCPは、「いかなるリスク」が発生しても重要な事業を継続するという視点に絞って計画が策定されるのです。

 

なぜBCPが必要なのか?

BCPの原点である「9・11米国同時テロ」における「世界貿易センタービル爆破事件」では、多くの企業が事業を継続するのに必要な機能を失い、短期間で業務を再開できませんでした。一方で、BCPを策定していた企業は、数日中に事業を再開することができました。

 

例えば、ある大手証券会社は、「事業計画とネットワーク強化」により、いち早く業務機能を復旧させました。この企業は、平素から遠隔地にバックアップサイトを設けており、本部で稼動するすべてのアプリケーションはバックアップサイトでも稼動しており、自動的に互いのサイトでバックアップを取り合うようになっていました。そして大混乱の中、災害復旧計画を発動し、事業計画を遂行したわけです。

つまり、BCP策定への時間と資源の投入と、BCPに沿った素早い行動が企業/事業の生死を分けるのです。

 

次月は、「製造業におけるBCPのあり方について」をお話しします。

【2011年10月公開】

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