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「アウトソーシングの捉え方」

先日、日本経済新聞社主催の「STRATEGIC総務セミナー(以下、セミナー)」に出席しました。テーマの一つが「アウトソーシング」でしたので、「維持保全のマネジメント業務」の「アウトソーサー」である当社としても大変参考になるものでした。そこで今回は、セミナーで伺った「アウトソーシングを委託する側(発注者)の視点」でのいくつかの話を交えながら、「アウトソーシングの捉え方」についてお話します。

 

まずは、「アウトソーシング」の定義ですが、セミナーの基調講演をされていた慶應義塾大学の花田光世教授によると、広い意味で、「外部組織との戦略的提携」、「相互啓発のメカニズムの進化を促すもの」と表現しています。また、アウトソーシングは「外注・代行のように、単に安いコストで業務を回すことのみにあるのではなく、組織の進化という視点で捉えるべき」とも言っています。

 

では、委託する側(発注者)が期待する「アウトソーシング」によるメリットとは何でしょうか?

・         コア業務への注力
・         専門性の向上
・         業務のスピード化
・         環境変化への適応力など、そして
・         コスト削減 があげられます。

 

しかし、特に日本においてのアウトソーシングでは、「コスト削減」に主眼が置かれているケースが多く、アウトソーサーとの継続した関係性を築けているケースが少ないのが現実です。逆に成功しているケースでは、委託者とアウトソーサーが継続的な相互啓発関係にあります。

 

アウトソーシングを成功させるキーは、「アウトソーシングの捉え方」です。「組織の進化」のためには、「自社内に“実業務”としてないリソースの活用または業務の効率化が可能なリソースの活用」だけではなく、実は、「自社内に“機能”としてないリソースの活用」が必要です。前者は、いわゆる「実業務」、後者の“機能”とは、「実業務を設計、助言、情報提供をするという専門スキル」や「環境変化に応じた専門的な改善提案を継続的にできるノウハウ」を指します。つまり、自社にない専門機能を外部の経営資源に求めることにより企業の機能を柔軟に組み替えるための「戦略的な経営手法」と捉えるか否かです。

 

当社は、施設管理における維持保全を中心としたマネジメント業務のアウトソーシングビジネスをしています。「実業務を設計、助言、情報提供をするという専門スキル」や「環境変化に応じた専門的な改善提案を継続的にできる」機能をアウトソーサーとしてご提供し、それぞれの組織の施設管理機能の柔軟な組み換えの一役を担うことがFM企業の役割だと考えています。

【2012年3月公開】

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