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住宅用の太陽光発電設備が危ない
住宅用の太陽光発電システムの火災が多発し、原因を調査していた消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は2019年1月28日、施工不良や経年劣化などが原因との調査報告書を公表しました。
太陽光発電システムには、パネル、パワーコンディショナー、接続箱、ケーブルなど、様々な電子部品や電線が使われています。雨が降っても大丈夫なように基本的な防水機能もありますが、製品の不具合や施工不良、点検不足などにより火災事故が発生するリスクがあるということが、今回の報告書によって、浮き彫りになったようです。
同庁の消費者安全調査委員会の調査によると、2018年10月時点における全国の太陽光発電システムの累計設置数は約237万件にのぼり、同システムから発生した火災事故などに関する事故情報は、2008年3月~2017年11月までに、事故情報データバンクに127件が登録されています。
今回の調査では、これらのうち製品評価技術基盤機構(NITE)による原因調査中であったものや、原因不明とされていたものなどを除く72件が調査対象となりました。
その結果、発火元がパワーコンディショナー(PCS)や接続箱だった火災が59件、太陽光パネルやケーブルだった火災が13件確認されました。
さらに、太陽光パネルやケーブルに起因するとみられる13件の火災事故を重点的に分析したところ、まずケーブルの発火については施工不良が原因と推定され、施工不良の内容はケーブルの挟み込み、または電気設備技術基準に照らし不適切なケーブルの中間接続もしくは延長接続に分類されました。こうした原因により異常発熱やアーク放電などが発生し、発火に至ったと推定されます。
このうち、屋根の下地に使われる野地板(可燃物)にまで延焼してしまったのは半数以上の7件あり、そのいずれもが、太陽光パネルと野地板の間に不燃材である鋼板が敷設されていないタイプ(鋼板等なし型)のものでした。
太陽光パネルが設置された約237万件のうち、この鋼板等なし型に該当する住宅は約4.5%に上るようです。つまり、こうした住宅は約10万7000棟ある計算になります。
さらに、太陽光パネルに起因する火災事故では、パネルの使用年数が7年以上に集中していることから、施工不良だけではなく、太陽光パネル自体の不具合によるものも多く存在するようです。
2009年に始まった「余剰電力買取制度」などの影響により、太陽光発電システムの急速な普及から今年で丸10年が経ちました。節電や売電といった経済的な側面ばかりが注目される傾向にありますが、太陽光発電システムを安全に利用していくには、定期的なメンテナンスの実施が求められているのです。(P.V)
【2019年2月公開】
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