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カタールワールドカップ ーサステナビリティとカーボンニュートラルの実現へ向けてー
12月18日、FIFAワールドカップ カタール2022がアルゼンチンの優勝で幕を閉じました。4年に1回開催されるサッカーの祭典、贔屓のチームの真剣な闘いぶりに熱い声援を送った方も多いのではないでしょうか。
さて、今回のワールドカップ開催国であるカタールでは、サステナビリティとカーボンニュートラルの実現に向けて、大会の前後にわたり様々な取り組みを行っています。
ドーハでの試合会場となった「スタジアム974」は、資材を再利用することを前提に、974個の貨物輸送用コンテナを活用して建設されました(974はカタールの国番号でもあります)。躯体にはリサイクルされた鋼鉄フレームが使用され、水利用の効率性を高める方法により、従来のスタジアム建設と比較して40%の節水を実現しています。座席は自然換気ができるように設計されているため、空調の必要がありません。これらの工夫によって同スタジアムは、国際サステナビリティ評価システム(Global Sustainability Assessment System、GSAS)から5つ星の評価を獲得しています。
既にスタジアムは解体作業が始まっており、資材は発展途上国へ寄付され、建設材料に役立てられるそうです。
また、全てのスタジアムがドーハ近郊の75km圏内に位置しており、観客や大会スタッフ、報道関係者は空路を使うことなく、地下鉄・ライトレール・バスなどの公共交通機関を利用することで会場間を移動することが可能となっています。その移動手段であるバスについても、二酸化炭素排出量削減のために、電気バスが多数導入されており、電気自動車用の充電スタンドも各所に設置されました。電気バスは、大会終了後もカタールの公共交通を担うため引き続き稼働する予定であり、カタールがカーボンニュートラルの要素として交通手段の電動化を重視していることが窺えます。
このように、カタールワールドカップでは、サステナビリティとカーボンニュートラルの実現を意識し、環境に配慮した技術が積極的に採用されました。本大会は、今後の世界規模のイベントにおける持続可能な開発(sustainable development)への大きな指標となったのではないでしょうか。
大規模な都市開発はもとより、施設の建設や運営手法についても環境へ配慮する視点を持ち合わせることは、今や世界的な潮流です。施設のライフサイクルを見据え、機能を維持していくためには、不断の意識改革が欠かせません。
私たちも、ファシリティマネジメントに携わる社会の一員として、視野を広げ持続可能性を常に模索しながら、施設のマネジメントに取り組んでまいります。(MASH)
【2022年12月公開】
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