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コージェネレーション(熱電併給)システムの役割
コージェネレーション(熱電併給)システムは、天然ガス、LPガス等を燃料として、一つのエネルギーから電気と熱を同時に作るので、Co(一緒に)+Generation(つくる)、コージェネレーション(以下、コージェネ)といいます。
コージェネは「排熱利用」と「自家発電」によりエネルギー効率が高いため、日本では1980年代後半から普及が進み、2013年には全電源の5%程度を占めていました。火力発電所では燃料が元々持っているエネルギーの40%しか使えませんが、コージェネは、発電に加えて排熱を有効活用し、エネルギーを消費する場所の近くに設置できるため送電ロスがほとんどなく、燃料が元々持っているエネルギーの75%から80%を利用することができます。
しかし、熱供給に化石燃料を使わず、ヒートポンプに移行するという時流の中で、導入は2004年をピークに停滞しています。
では、コージェネはオールドファッションな技術なのでしょうか。コージェネはエネルギー効率の高い技術であることに変わりなく、そして、コージェネの燃料となるガスを運ぶ高圧・中圧ガス導管は、阪神・淡路大震災、東日本大震災クラスの大地震にも十分耐えられる構造となっており、信頼性の高いエネルギー供給システムを構築することができます。また、コージェネは防災対策にもなり、非常時に電力供給が制限される場合にも、自家発電である強みが発揮されるため、BCP(事業継続計画)を進めることもできます。さらに、コージェネは発電出力が安定しているので、「安定した分散型電源」にもなります。
つまり、世界的に再生可能エネルギー比率を高めていく傾向にありますが、依然として化石燃料も重要なエネルギー源である中、熱を多く使う工場などを中心とした施設において、コージェネは一定の役割を担い続ける技術であると考えます。
昨今、コージェネ技術も革新が進んでいます。2050年までにカーボンニュートラルの実現(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を打ち出している日本では、この目標達成のために、次世代エネルギーの一つである「水素」を活用した「水素コージェネ」の実用化も始まっており、CO2の排出量の大幅な削減も実現しています。 元来有しているメリットに加え、カーボンニュートラルにも寄与できる技術として進化し続けているコージェネに注目しながら、ファシリティマネジメントの視点を持って日々の施設運営維持を行っていきたいと思います。(大の字)
【2023年 4月公開】
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