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オーバーホールとレトロフィットの違い
設備機器の更新を検討する際、機器本体の更新または部品の取り換えなどの修理を行う「オーバーホール」を想定することが一般的でした。しかし最近では、エアコンや照明器具をはじめ、様々な機器の修理の際に「レトロフィット」という方法が用いられることが多くなりました。今回は、この「オーバーホール」と「レトロフィット」の違いに注目していきたいと思います。
まず「オーバーホール」とは、設備機器の点検やメンテナンスを目的に機器の分解、クリーニング、修理、部品の取り換えなどを行い、新品同様の精度を取り戻して機器の寿命を延ばす内容となります。それに比べて「レトロフィット」は、先のオーバーホールの内容に加えて、既存の機器に新たな機能を追加することで、性能を高め、さらなる効率化を実現する方法となります。
レトロフィットは、既存の設備機器をより良い性能に向上させていくことが目的となるため、新品の商品を新たに購入して設置する必要がありません。そのため、その分コストを抑えることができ、廃棄物も出ないことから、環境保護やリサイクルにつながるというメリットがあります。また、修理部品の製造終了やメーカーの廃業などにより、修理やメンテナンスが難しくなってしまった設備においても、レトロフィットでは復元することが可能となる場合があります。
施設によっては、施工後に目的に応じた修繕工事を行うことがあります。一般的には既存の施設を「修繕」「改修」するといいますが、この二つの言葉にも「オーバーホール」と「レトロフィット」のような明確な違いが存在します。「修繕」とは、建物の性能を維持したまま、以前の状態に回復させることを言い、「改修」は、時代の変化などに合わせて変化させ、初期性能よりも性能や質をグレードアップさせていくことを言います。
「オーバーホール」と「レトロフィット」。「修繕」と「改修」。これらは、似た意味の言葉として、曖昧な認識のまま使用されていることが多いですが、こうした似たような意味合いの言葉でも、定義や目的には明確な違いがあります。お客さまからすれば、同じ意味の言葉と捉えられるとしても、私たちは提案の中では、明確にその意味と内容を使い分けています。それはファシリティマネジメント会社としてのこだわりのひとつかもしれません。(大の字)
【2023年 4月公開】
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