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風力発電の展望について
FPI情報局のなかでも何度も述べてきた「再生可能エネルギー」ですが、今回は、風力発電について、記載したいと思います。
風力発電は、風の力を利用して風車を回し、風車の回転運動を発電機に伝えて発電する仕組みで、風速や風向きにより羽根の角度や風車の向きを自動的に調整して、効率的に発電します。 しかし、風速が上がりすぎると、安全のため回転を停止させる必要があるため、台風などの強風時には利用できません。簡単にいえば、常に同じ方向から風がふき、台風などの強風にさらされることがない地域が風力発電に向いており、日本のように日々風向きがかわり、台風が頻発する地域は、風力発電には向いていないということになります。
この風力発電について、最近新しい技術、いわゆる「羽根のない風力発電」が注目されています。風力発電の特徴である大きな3枚の羽根を無くし、別の方法で風力を電気に変える仕組みをもち、スペインで開発している技術、日本のベンチャー企業が開発している技術などがあります。見た目の特徴は大きな羽根がないということになりますが、性能としても、風向き・風量の影響を受けにくく、台風クラスの強風下でも発電できる可能性があります。
日本では、2012年には、全発電エネルギーに占める再生可能エネルギーは、わずか1.7%でした。その内訳は、バイオマス発電・風力発電が0.5%、地熱発電が0.3%、太陽光発電が0.4%となっていました。
2021年、全発電エネルギーに占める再生可能エネルギーは、22.4%まで増加しています。太陽光発電は、9.3%と2012年より、約9ポイントも増加しています。太陽光発電は、家庭でも導入しやすいこともあり、他の再生可能エネルギーよりも全体を占める割合は急速に高まりました。一方で風力発電は、0.9%で年間発電電力量は太陽光発電の10分の1以下にとどまっていますが、2012年度と比べると約2倍となっています。それでも欧州と比較するとかなり低い水準になります(欧州では、全発電エネルギーに占める再生可能エネルギーは、43%で、風力発電は約14%)。
2022年に資源エネルギー庁が公表した「今後の再生可能エネルギー施策について」の中でも風力発電は非常に多くの検証と取り組みの施策が盛り込まれています。そのことは、2030年の再生可能エネルギーの割合36%~38%という目標を実現させていく中で、風力発電が大きな役割を担い、その可能性を秘めていることの期待値ともいえるでしょう。(P.Sちか)
【2023年 5月公開】
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