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線状降水帯について
7月に入ってからテレビ、インターネットなどの情報メディアの中で、連日ニュースになっているのが「線状降水帯」です。そしてその被害についても目を疑うような状況が報道されています。この線状降水帯を気象庁では「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域」と定義しています。簡単にいえば、積乱雲が次々と発生し続け、同じ地域を通過することにより、積乱雲の発生線上に非常に激しい大雨を降らせるものです。
8月22日時点で7月に関しては6件、8月に関しては8件も発生しており、2022年の発生件数を大幅にこえています。
そもそも線状降水帯という呼び名は2014年の広島の豪雨災害からと言われていますが、実はそれ以前にも線状降水帯の発生による災害は起きていました。近年は線状降水帯のもたらす被害の甚大さを考え、気象庁は2021年から「線状降水帯」の発生が確認された際には、「顕著な大雨に関する情報」を発表して、災害の危険性の通知と安全の確保を呼びかけています。
さらに2023年5月には、運用基準の変更を行い、線状降水帯の発生が確認される前の段階で予測を発表することになりまりました。従来よりも最大で30分早く情報が発表されることになります。これは、「大雨の危機感を少しでも早く伝えるため」と気象庁は説明しています。当然、「予測」を発表することで、これまでの「発生」を発表していた時より、発表回数は多くなると思われます。また、気象庁は、30分先までの線状降水帯の発生を84%の予測ができたとの発表も合わせてありました。また、今後その精度を上げていけば、2、3時間前に予測できる可能性があるようです。
今後、地球環境の変化がもたらす線状降水帯の発生に起因した洪水などはますます増加していくと考えておく必要があります。そして、誰もが遭遇する可能性があるものとして、対策を進める必要があります。施設管理についても、止水板、土嚢の常備を始めとする物理的な対策だけでなく、混乱が起きないないよう、避難経路、避難場所の表示はもちろんのこと、施設利用者への啓蒙、訓練など、現在の予測精度から考えられる30分間でできる施設の対策をしっかりと検討し、有事に備えた行動ができる環境の構築が何よりも重要になっています。(P.Sちか)
【2023年 8月公開】
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