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熱波による事業への影響と対策


ここ数年、私たちは異常な暑さの夏を経験しています。いわゆる30℃以上の日を「真夏日」、35℃以上の日を「猛暑日」と呼んでいますが、もはや体感的にはその定義では収まり切らないほどの自然現象、つまり「熱波(Heatwave)」に直面しています。気象庁は「熱波」について「広い範囲に4、5日またはそれ以上にわたって相当に顕著な高温をもたらす現象」と定義しています。数字上の明確な基準はないようですが、40℃に迫るような猛烈な高温の日が何日も続くと、ニューヨークタイムズ “世界の話題”でも取り上げられたように、「熱波は人の体を蝕んでいく」、つまり、暑さが健康に与える影響は想像以上に大きいということです。そこで、「熱波」が人の体に与える影響、そして事業者への影響について述べたいと思います。

 

まず、40℃程度の高温と高湿度が何日も続くと、身体疾患のみならず精神にも深刻なダメージを与えます。「こもり熱、うつ熱」:体に蓄積した熱を汗として気化できずに高体温状態になってしまう/「夏季うつ」:食欲が低下したり、よく眠れない日が続いたりすることで、疲労が溜まり、季節性感情障害(気分の落ち込みなど)を引き起こす/思考力や運動機能が損なわれる、などです。

そうなると、事業としては、労働生産性の低下/不良率の上昇/欠勤・退職増などによる事業の根幹である人手不足、などという事態が懸念されるわけです。

 

「熱波」への対策としては、個々人では、まずは「暑熱順化」(汗をかきやすい体を作り、暑さに対する適度の耐性を養う)が肝要です。そして事業者としては、労働環境整備です。品質管理の手法として、不良品がおきる6つの原因(5M+1E/人(Man)、機械(Machine)、方法(Method)、材料(Material)、検査・測定(Measurement)、環境(Environment))が挙げられますが、そのうちの一つ「環境」においては、労働者の身体的、精神的なストレスを減らすために温度や湿度など作業現場環境のマネジメントが重要です。例えば、初歩的なこととして、環境温度が35℃以上のときは扇風機を使わないことが得策です(熱風を浴びることになり体温調節に役立たない/蒸し風呂状態の環境下では事実上、汗をかいて体を冷やすよりも速くその環境から熱を吸収してしまう)。その意味では、建屋性能も含めた空調システムの構築・整備・保全は今後益々重要な対策となっていきます。

 

このように、やるべきことは、「熱波を見据えた環境への適応」と「環境整備による事業活動への影響軽減」の2つです。10月1日~7日は「全国労働衛生週間」です。「熱波時代」という視点で、次年度に向けて、労働者の健康管理や職場環境の改善などを改めて考えてみる良い機会だと思います。私たちも、お客さま施設の環境整備・保全をファシリティマネジメントの観点よりバックアップしていきたいと考えています。

※写真は「Getty Images」より

(大の字)

【2023年 9月公開】

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