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FM TOPICS 

FMが経営組織へもたらす財務的インパクト(その2)

 

前回の財務指標のおさらいを踏まえ、今回は、FM(ファシリティマネジメント)の手法が経営組織の財務にどのようなインパクトを与えるかについて述べたいと思います。

 

FMに関連するコストをここでは広い意味で「ファシリティコスト」と表現します。財務指標であるROA、ROE、ROICにインパクトを与えるファシリティコスト施策としては、(A)財務指標の分母の「総資産」の削減(最適化)、つまり、戦略的コスト削減施策、そして、(B)財務指標の分子の「利益(当期純利益や税引後営業利益)」の増大、つまり、運営維持分野におけるコスト削減施策があります。

 

まず、(A)ですが、BSの左側、つまり「資産の部」の中の「有形固定資産」に含まれる、土地、建物、建物付属設備などは、まさに保有し、賃借し、使用し、運営し、維持する対象であり効率化が有効です。具体的には、施設面積最小化、不要な施設資産の処分による資産効率化、用途変更や賃貸化などによる既存施設資産の有効活用、敷金・保証金の削減など施設資産の効率化など、施策は多種多様あります。また、建物においては事業フェイズや事業再編に伴い建物面積の最適化を行うことも必要です。これらはCREマネジメントにも関連する領域です。

 

そして(B)については、PLの「販管費および一般管理費」に含まれるものをどのように削減(最適化)するかということになります。以下は、「販管費および一般管理費」の主な内訳です。

 

①施設運営維持(セキュリティ、清掃衛生、設備保守、など)に要する外部委託費

②建物・設備の修繕費

③水道水道光熱費

④福利厚生運営費

⑤間接材費、など

⑥上記をマネジメントするインハウス間接部門の人件費(労務費)

 

これら「販管費および一般管理費」の最適化に向けた最も効果的な施策の一つに、運営維持分野に携わるインソースのヘッドカウントの一部をアウトソースへシフトチェンジすることがあげられます。アウトソースの場合には、インソースの場合にかかる福利厚生費がかからないため一定のコスト削減が見込まれます。また、アウトソーサーの専門的マネジメントノウハウを活用することにより、運営維持分野に関わる業務で後回しになっているものや手つかずの業務の推進、および、優良な外部業者体制へのテコ入れおよびあるべき契約内容への見直し等によるコスト削減、さらには、建物付属設備(熱源設備、空調設備など)の修繕・更新におけるライフサイクル、仕様、コストの最適化が可能になります。

 

このように、特に大きな資産を有している組織(上場している製造業など)では、ステークホルダー(金融機関、株主など)対策として、財務指標の改善に向けて常にファシリティコスト施策(戦略的コスト削減施策、運営維持分野におけるコスト削減施策)に注力する必要があり、FMの手法は実に効果的と言えます。

 

同時に、私たちの考えるFMは、ファシリティコスト施策の支援をすることは勿論、その組織のFM分野において機能的に弱い部分を補填し、業務プロセスがスムーズに回る体制作りを支援し、結果、社員一人一人の業務へのモチベーションと組織の活力や活気を高める、つまり、組織自体が健全化していく仕掛け作りのお手伝いであると考えています。

 

参考URL

https://www.f-p-i.co.jp/information_service/fm-topics-1984/

 

(大の字)

【2024年 1月公開】

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