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マンション長寿命化促進税制と管理計画認定制度

2023年4月に国土交通省より創設された「マンション長寿命化促進税制」とは、一定の要件を満たす区分所有マンション(以後「マンション」という)において、長寿命化に繋がる大規模修繕工事が実施された場合に、その翌年度に課される固定資産税(※建物部分のみ)が1/2~1/6の範囲内で減額される制度です。

 

マンションを保有する際、大きな負担となる固定資産税の減税というメリットを考えると、マンションの修繕積立金の引上げや大規模修繕の実施への動機付けとなりそうな制度ですが、条件を満たすのは簡単ではありません。

 

まずは、対象のマンションとなるために「①築年数20年以上経過」「②総戸数10戸以上」という、マンションの規模や築年数による要件があります。

そしてさらに「③管理計画の認定を取得したマンション」という要件を満たす必要があります。これは、適切な管理計画を有するマンションを自治体が認定する、マンション管理適正化法に基づく制度です。管理計画の認定基準には複数の項目がありますが、管理者等及び監事が定められている、集会が年1回以上定期的に開催されているなどの16項目です。管理組合の運営上、最低限の内容になっており、認定基準をクリアできる管理組合は少なくありません。

しかし、長寿命化促進税制を利用するには、さらにその管理計画の認定を受けるに際し、2021年9月1日以降に、修繕積立金を認定基準未満から認定基準以上に引き上げた場合のみ、減税の対象となります。

つまり、最初から十分な修繕積立金を設定しているマンションの場合は、今回の減税制度の対象とはならないことになります。修繕積立金の値上げによる各所有者の負担を、固定資産税減税によって緩和する、というイメージになるでしょう。

 

さらに、対象となる工事要件にも注意が必要です。対象となる長寿命化工事とは、2023年4月1日~2025年3月31日までに2回目以降の工事が完了していること、施工内容は外壁塗装工事、床防水工事及び屋根防水工事等が含まれますが、例えば外壁塗装は実施したが屋上防水は行っていないなど、工事内容によって認められない場合がありますので認定に当てはまるかどうかの詳細は行政に確認が必要となります。

 

スケジュールとしては、修繕積立金の引上げ後、管理計画認定の申請および認定通知書の交付が必要となります。その後、長寿命化工事の完工3ヶ月以内に証明書を取得し、固定資産減額申告書にこれらの書類を添付して減額措置を申告します。非常にタイトな期間であることが最大の懸案事項になります。

 

条件を満たすマンションは少ないのですが、私たちは、日々更新される情報を幅広くキャッチし、お客さまに有用な情報を発信することが信頼を得られる機会になるのではと感じております。

 

参考:国土交通省ホームページ「マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)」

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000121.html

 

(サスケ)

【2024年1月公開】

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