FM TOPICS
新技術とFM
2017年のFPI情報局で「木造建築」というキーワードをもとに情報を掲載させて頂きました。あれから7年が経過し、木造高層建築(6階建以上の施設)は確実に進化を遂げています。当時は数棟しか世の中に存在していなかった木造高層建築も、現在では30数棟になっています。単なる木造建築だけではなく、木材と鉄骨、木材とコンクリートとを組み合わせたハイブリット建築も含めて、進化を続けています。その進化がもたらす環境側面以外のメリットもあります。例えば、
1.鉄やコンクリートに比べ、軽い
2.物理的な耐用年数が非常に長い
3.利用者の評価が高い
などが挙げられており、まだまだ金額面に課題があるものの更に進化を続けていくでしょう。
他にも近年グラフェンという素材も注目されています。強度があり、薄いという特徴をもつシート状の素材になります。この素材は比較的新しい素材ですが、実に多くの分野で研究が進んでいます。エレクトロニクス、材料分野ではその影響度は大きく、市場の拡大が見込まれています。建築においては、グラフェン強化材料という可能性が考えられます。グラフェンを建設材料に組み込むことで、施設の物理的な耐用年数を伸ばす効果が期待できます。
一方、維持保全の改修・修繕の分野でも進化は続いています。ドローンによる外壁の赤外線や映像により、これまで困難だった箇所の調査が可能となりました。少し前にはなりますが、光触媒の技術で、高い耐久性と雨で汚れがおちる塗装も実用化されています。最近では、日本の企業とオランダの大学による共同開発により、自己修復するコンクリートも登場しています。とくに社会インフラ設備の老朽化が進んでいるところでは、このコンクリートは非常に重要な役割をもつと思われます。
新たな技術の登場により、施設の維持保全も変化をしていかなければなりません。これまでの改修・修繕だけではなく、新たな技術を用いた手法の採用、また、新たな建材に対して、品質を維持する仕様を構築していくことで、施設の物理的な耐用年数を伸ばすことが可能となります。
ただ、施設の物理的な耐用年数が長くとも、照明、空調などの機能性、快適性が時代の変化に追いついていなければ、施設の寿命は短くなります。このふたつの要求を盛り込んで施設をマネジメントすることが、FMに課せられた大事な役割なのです。(P.S. ちか)
【2024年9月公開】
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