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FM TOPICS 

落雷対策とFM

昨今の異常気象下では、様々な自然災害の発生を見越した予防対策が必要ですが、今回はその中で「落雷対策」について述べたいと思います。

 

落雷対策は大きく分類して、

1.「直撃雷」から建築物や人を守るもの

2.「誘導雷」から建物内部の電気電子機器やシステム及び人畜を守るもの

があり、保護したいものにより必要な対策が異なります。

 

1.の「直撃雷」への対策としては、落雷を受けても「あらかじめ雷(電流)の通り道を作っておき、そこを通ってもらうことで建物や人へのダメージを減らそう」という考え方のもと、建物ではなく避雷針で雷を受けることによって雷電流を大地までスムーズに流すシステムの導入があげられます。

 

2.の「誘導雷」への対策としては、「誘導雷(落雷によって発生した電磁界の急変による影響で金属線路に誘導される雷サージ(異常電圧および異常電流))を建物内へ侵入させない」という考え方のもと、守りたい機器の近傍(金属線路上)に専用システムを設置します。

 

 

ここで知っておくべきことは、雷被害のうち「直撃雷」が原因によるものは全体のわずか1%程度であり、雷の直撃はなくとも、「誘導雷」によって建物内部の電子機器や付帯設備が破壊されるというリスクのほうが高いということです。「誘導雷」による被害対象は、自動火災報知設備の破損が突出して多く、その他、防犯設備、監視カメラ、PCなどの電源線と信号線が接続されている設備だけに留まらず、テレビ、エアコンなど家電製品の破損まで多岐に渡っています。

 

つまり、世の中のありとあらゆるものが電子化されネットワークで繋がっている昨今、「誘導雷」対策に注力する必要があるわけです。一方で、雷サージの侵入経路はその殆どが不明であり、電源線、通信線、接地線の全てが侵入経路となる可能性があるため、部分的な対策ではなく、建物やシステム全体の包括的な対策が必要だと言われています。まさに、落雷対策には組織横断でのFM(ファシリティマネジメント)の考え方がキーになるのです。(大の字)

【2024年12月公開】

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