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土壌汚染対策
東京都の豊洲新市場の土壌汚染対策が話題となっていますが、土壌汚染対策の取組みの基準となっている「土壌汚染対策法」とは、どんな法律なのでしょうか。
「土壌汚染対策法」は、工場移転によって跡地の再開発をすることが多くなって、工場跡地で重金属類や揮発性有機化合物等の土壌汚染やこれに伴う地下水の汚染が次々に発見されるようになったため、具体的対策の法的整備が必要となり、2002年に制定されました。
「土壌汚染対策法」では、土壌汚染による健康への影響である「健康リスク」を、地下水の摂取などによるリスクと直接摂取によるリスクの2つに分けて考えています。土壌汚染が存在していても摂取経路が遮断され、きちんと「健康リスク」の管理ができれば、人の健康に何も問題はないと判断しています。したがって、講ずべき措置は、除去・浄化だけではなく、盛土・舗装・封じ込めなどもリスク低減措置も対策として有効としています。
「土壌汚染対策法」の中では、土壌汚染状況の調査に関しても細かく取決めされています。さらに、2010年4月の「土壌汚染対策法」の改正により、特定有害物質の使用の有無に関わらず3,000㎡以上の土地の形質変更時に行政への届け出が必須となりました。これにより土地を利用する事業者は、法に基づく調査の契機が拡大し、土壌汚染のリスクに応じた、より適正な管理が求められるようになりました。
なお、不動産取引に際しては、「不動産鑑定基準」が改定され、2003年1月より鑑定評価にあたって、土壌汚染調査(地歴調査等)を反映させることになりました。不動産の売り手と買い手はそれぞれの立場でリスク管理する必要が生じており、土壌調査を行う頻度は高まる一方となっています。不動産取引での土壌汚染調査は、ほとんどが自主調査であり、土壌汚染調査件数全体のおよそ半分に達しています。
不動産取引での土壌汚染対策は、掘削除去が前提となっています。「土壌汚染対策法」では汚染が判明しても汚染の除去・浄化を義務付けてはいませんが、不動産取引では自主的にリスクの少ない対策を選んでいます。
土地を利用する事業者にとって、土壌汚染のリスクは、対応によっては企業経営の根幹を揺るがすリスクへと連鎖・拡大する要素を持っています。企業として、土壌汚染リスクの対策に向けた検討をしっかり進めておく必要があるのではないでしょうか。(レイクトラウト)
[2016年10月公開]
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