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ZEB
各国でエネルギー消費抑制に向けた取り組みが行われています。エネルギーの経済効率)が良い先進国では、建築物がエネルギー消費の40%前後を占めているため「ZEB (zero energy building:ゼロ・エネルギー・ビル)」実現への挑戦が不可欠となっています。
「ZEB」とは、年間の1次エネルギー消費量がネットでゼロとなる建築物を指します。簡単に言うと、年間の電気の消費量と同等以上に発電し、電力の足し引きがゼロになる建築物のことです。
「ZEB」を実現するためには大きく分けて2つの手段があります。1つは「省エネ」を進めてエネルギー消費量を減らすことであり、もう1つは発電設備を導入して「創エネ」することです。「省エネ」「創エネ」どちらの手段も、「ZEB」を実現させるためには欠かすことはできない非常に重要なポイントとなっています。
日本の「ZEB」への取組みは欧米よりも遅れてはいますが、経済産業省は2014年4月にエネルギー基本計画を決定し、その中で「建築物については、2020年までに新築公共建築物などで、2030年までに新築建築物の平均で「ZEB」を実現することを目指す」としています。「ZEB」の実用化までの道のりはまだ長いですが、積極的な実証研究が続けられています。
実証の場の1つである建築設備会社の研究施設では、改修によって「ZEB」を実現することを目標にし、様々な施策を講じました。「省エネ」においては、再生可能エネルギーである地中熱と太陽熱を直接利用する空調システムを導入し、さらに建物の断熱強化と照明負荷の削減を行っています。地中熱利用の空調システムとは、年間を通して16℃に安定している地下水をくみ上げて熱交換器で採熱・放熱し、冷暖房を行うものです。また、太陽熱利用の空調システムとは、太陽熱集熱パネルを屋上に設置し、その温水を使用して暖房を行うものです。そして「創エネ」においては、全建物の消費電力量に適応した容量の太陽光発電パネルを用意しています。新技術の導入、検証、チューニングを繰り返し行って、約5年の試行錯誤の結果、目標である全館「ZEB」化を達成しました。
2020年までに、戸建て住宅も含む全ての新築の建築物で、段階的に省エネルギー基準の適合が義務化されるなど、ここ数年で、建築物の省エネルギーに関わる法制度が大きく変わります。建築や住宅、不動産の関係者は、一連の法制度の動きを把握し、対応していくことが求められますが、新しいビジネスチャンスとしても期待できるのではないでしょうか。(レイクトラウト)
[2017年2月公開]
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