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雨水利用
雨水利用とは、屋根・屋上・ベランダなどからの雨水をタンクに貯留し、植木への散水、洗車、水洗トイレの洗浄水などの中水道とし、雑用水、防火用水等に有効活用することをいいます。
地球には、3億7000万km³の水があります。そのうちの97.2%の水が海水。2.2%が氷河や万年雪。そして残りのわずか0.6%が地下水で、川や湖などの表流水は0.02%です。生活と密接なかかわりのある淡水は、ほんのわずかなのです。しかも、この淡水の元は雨水ですが、雨は地球上に均一に降るわけではなく、偏在しています。日本は世界の年間平均降水量の2倍近い雨が降ります。日本は世界の中でとても雨に恵まれた地域なのです。
近年は、気候変化で降る時期に降水がなく、あると思えば集中豪雨です。最近の日本は水不足で渇水が続くと、役所の方々は節水のお願いとか、地域での断水が発表され、不自由な思いをすることがあります。しかし考えようによっては、日頃あまり関心のない水資源、雨水利用の必要性について考える機会でもあります。
東京ドームでは、雨水再利用により、水道水の使用を年間約68,000トン削減しています。ドーム屋根の約半分(15,700㎡)に降った雨をスタンド席の下にある雨水槽(3,000t)にため、東京ドーム内のトイレ用水として再利用しています。水道水の節約だけでなく、下水道に流れる雨水の量も減らすので洪水防止にも貢献しています。ドーム球場の屋根は広い面積を持ち、形状や材質から雨水を取水するのに適しています。実際これまでに建設されたドーム施設の多くに雨水利用が採用されています。
また、多くの自治体では下水道や河川への流れる雨水を減らす目的で、自宅に雨水タンクの設置する方に補助金を助成しています。 雨水タンクは、屋根に降った雨を集めて貯水し、その雨水を草木への水やりなどに活用することで節水にもなり、水道代の節約にも役立ちます。また、火災や震災などが発生して断水したときの非常用の水としても利用できます。補助金の金額、申請方法等は各自治体で異なりますので、一度、確認してみてはいかがでしょうか。
雨水はその気になれば誰でも利用できる身近な資源です。日本は年平均1800mmも雨が降ります。自宅で雨水を利用するには、屋根などから樋を通り集水するわけですから、貯留用のタンクさえ新設すればすぐ利用でき、費用も負担が少なくて済みます。
地球上のたった1%の限られた淡水を有効利用するためにも、雨水を利用し生活雑用水に活用すべきです。メリットの多い雨水利用、今すぐ実行しようではありませんか。(東奔西走)
[2015年4月公開]
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