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遮熱・断熱塗料による省エネ
近年、省エネに対する関心はますます高まりつつあり、太陽光発電をはじめとしたいくつかの具体的なソリューションが一般にも広がりつつあります。
今回は、その中で、建築分野で関心が高まりつつある、「遮熱・断熱塗料」について着目してみました。
直射日光が建物に降り注ぐことにより、建物の表面温度が上がり、建物内の温度が上昇します。部屋の温度が上がるのは、外から部屋に熱が伝導するからです。建物内に入ってくる熱の原因は主に、太陽光から直接受け取る熱と、外気温から伝わってくる熱があります。
遮熱・断熱塗料は、建物内の冷房効果を向上させることによって省エネに貢献し、ひいては環境対策としての二酸化炭素排出削減の手段として期待されています。
遮熱塗料は、太陽光線の中でも発熱の原因となる赤外線波長域の光を反射させることで、日射を受けることによる塗装面の温度上昇を抑えるものであり、断熱塗料は、塗膜の熱伝導率を低く抑えたもので、吸収された熱を内部に伝えにくくするものです。
このような機能性塗料で塗装することで得られる平均的な効果としては、15~20℃程度の屋根の素材温度の低下が期待できます。住宅の場合、屋根の下に断熱層があるため、温度差が体感できない場合もあるようですが、工場など鋼鈑屋根の下の断熱層が少ない場合は、真夏では室内温度が3~5℃下がるケースも実証されています。
遮熱効果は色によっても違いがあります。遮熱効果を期待するには、光を反射しやすい「白色」などの明るい色を選ぶことが大切なようです。 現在では多くのメーカーが様々な遮熱塗料を製品化しており、屋根用塗料だけでなく、外壁用や路面用、屋上防水材なども既に製品化されています。
耐久性については、その塗料の主成分により決定されるようですが、水性よりも溶剤系の塗料の方が高く、日本建設業連合会が行ったメーカーアンケートの結果では、耐用年数は5~20年と幅があり、設計単価については材工一式で2,000~6,300円/㎡との結果が得られています。
今年は、日本各地で観測史上初の猛暑日の記録が更新されているようです。省エネのみならず、建物の維持保全ならびに居住者の快適な環境の維持のためにも、遮熱・断熱塗料の採用を検討してみてはいかがでしょうか。(P.V)
[2015年8月公開]
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