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氷蓄熱冷房システム
つくばエクスプレスでは、秋葉原駅のホームやコンコースの冷房設備として、電力需要の少ない夜間に氷を造り、昼間の電力需要が高くなる時間帯にその氷を解氷して空調機を通じて冷房する「氷蓄熱冷房システム」を導入しています。
氷蓄熱空調システムは、夜間に夏は氷、冬はお湯を作って蓄えておき、昼間の冷暖房に活かす空調システムです。夜間は、昼間と比べて電気代が約1/4~1/5(東京電力の蓄熱調整契約の場合)となり、年間を通してコスト削減を行うことができます。さらに、これによっていわゆる「ピークカット」が実現でき、最大電力消費量を低く抑えることも可能となります。
蓄熱式空調システムは、他にもありますが、氷は水よりも単位体積当たりの蓄熱量が大きいので、蓄熱槽をコンパクトにできるという特徴があります。そのため、大規模から小規模までの幅広い建物に適しています。氷蓄熱空調システムは、現在、主に業務用として使われていますが、今後は家庭用などへの対応が期待されています。
また、氷蓄熱空調システムは、さまざまな優遇がうけられます。主なものとして、「氷蓄熱空調システム」設置のために金融機関から受けた融資に対し、国から利子補給が受けられる国の補助金制度や「エネルギー需給構造改革投資促進税制」により「氷蓄熱空調システム」を採用すると、税の一部控除や特別償却できるようになる優遇税制などがあります。
経済的にも有効な蓄熱空調システムは、蓄熱により空調設備のミニマム化も実現できます。蓄熱空調は、蓄熱量の分だけ契約容量を低減することができます。そのため、電力のピークシフトやデマンド制御、空調更新にも、既設の受電設備のままで30~50%の冷房能力アップが図れるなど、設備費用の軽減が可能です。また、夜間電力の活用で電力需要の平準化にも大きく貢献します。
エネルギー問題はその依存度や地球温暖化など様々なテーマを抱える重要な課題です。こうした中、エネルギー消費の大きい空調設備の技術革新は、諸問題に関わる重要事項です。温暖化の要因となる燃焼システムからクリーンなエネルギーシステムへの移行とともに、省エネルギー技術の革新が急務です。(東奔西走)
[2015年9月公開]
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