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U値
「U値」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。熱貫流率のことで、単位は、W/m2(平方メートル)・Kで、室温と外気温に1℃の温度差がある場合に面積1m²あたり、1秒間に伝わる熱量のことです。簡単に言うと、「U値」は、壁などの建物の部位の熱の伝わりやすさを表した値です。値が小さい程、熱の伝わりが少なく、断熱性能が高いということになります。窓の断熱性能も、この「U値」という指標で測ることができます。2009年4月1日に施行された改正省エネ法において、熱貫流率を表す記号が「K」から、国際的に使用されている記号である「U」に変更されましたが、その意味や内容が変わったものではありません。
欧米諸国では、窓の重要性がよく認識されており、U値に関して最低基準を設けていますが、非常に残念なことに、日本には、未だに、最低基準が存在しません。
欧米諸国が窓の「U値」に関して最低基準を設定しているのには、理由があります。 日本建材・住宅設備産業協会の調べによれば、窓などの開口部を通して、冬に暖房の熱が逃げる割合は58%、夏の冷房中に入ってくる割合は73%にも及びます。もちろん、屋根や壁の断熱性能や建物の形状などによっても、建物全体の断熱性能は異なりますが、最も熱損失が大きい窓の断熱性能の規制を厳しくするのは極めて合理的なわけです。
さらに、日本ではこの「U値」の表示方法にも課題があるようです。欧米諸国では、「U値」を枠とガラスを別々に計算し、同じ製品でも開き方や面積が違うと1枚ごとにU値を別々に表示するのが一般的です。しかしながら、日本では、そこまで厳密な表示をしていません。
以前取り上げたように、2015年3月24日に、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」が閣議決定され、年々省エネルギー対策を推奨する政策が実現しつつあります。
今後、日本においても、欧米諸国のように、窓の断熱性能の最低基準が設定される日も近いのではないでしょうか。(P.V)
[2015年10月公開]
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