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マイクロ水力発電
マイクロ水力発電は、小規模な水力発電です。小水力発電、小規模水力発電とも呼ばれます。例えば、用水路、小河川、道路脇の側溝の水流、水道など、様々な水流を利用して発電を行うことです。自然環境への負荷が少なく、クリーンで、低コストで導入することができます。
マイクロ水力発電の明確な定義は存在しませんが、200kW未満の発電の規模のものを総称してマイクロ水力発電とすることがあります。マイクロ水力発電の利点は、ダムなどの大規模な水源も必要とせず、小さな水流であっても比較的簡単な工事をするだけで発電できることにあります。
このため、山間地、トンネル内からの湧水、中小河川、農業用水路、上下水道施設、ビル施設、家庭などにおける発電も可能であり、マイクロ水力発電の未開発地は無限にあります。マイクロ水力発電は、過去100年以上の長い歴史を有しており、技術上の課題はほとんど解決されているものの、日本では複数の省庁によって各種規制が設けられ普及を阻害してきました。
2010年にようやく、経済産業省が所管する200kW未満の発電設備に関する規制の一部または全部が緩和され普及のためのハードルが低くなりました。しかし、農水省所管の農業用水に関する規制、国土交通省所管の慣行水利権に係る水利使用の許可手続きなど、他の省庁の規制は依然として残っています。
ただし、自治体が運営する浄水場や下水処理場などには水利権の問題は発生しません。こうした点で自治体自らが、マイクロ水力発電を導入する事例が増えています。
広島県企業局では、環境省の補助交付を受け、三原市にある県営の宮浦浄水場にマイクロ水力発電設備を設置しました。この設備により、浄水場で使用する電力量の約4分の1に相当する年間478MWh(一般世帯の約85世帯分の消費電力量)を発電し、年間322tの二酸化炭素の削減効果をあげています。
地球環境保護、地球温暖化という観点からも、身近な自然エネルギーを有効に活用していくことや、それをシステム化していく技術の役割はますます重要になっていくことでしょう。それらの普及を阻害する規制の緩和が待たれます。(東奔西走)
[2016年2月公開]
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