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マンション総合保険の現状

近年、マンションの管理組合が加入する「マンション総合保険」の料率体系の見直しが頻繁に行われています。
 

「マンション総合保険」はマンションの共用部分を一括して補償するマンション管理組合のための火災保険です。補償内容は、最低限「火災」、「落雷」、「破裂爆発」などに備える基本補償と、火災後の片づけ費用などに備える「費用保険」があります。また、施設の欠陥や管理の不備による事故に備える「施設賠償責任保険」、専有部分の配管からの水漏れやベランダからの落下物などによる事故に備える「個人賠償責任保険」等も特約で備えることができ、火災保険とのセットで地震保険にも加入することができます。

 

この「マンション総合保険」が直近で大きく改定されたのが2015年10月です。この改定により、高経年マンションほど保険料が高くなる料金体系となり、多くのマンションの保険料が値上がりすることになりました。

 

また料率改定と同時に、保険契約の期間も最大10年までとなりました。これまでは最長30年以上の長期契約も可能でしたが、自然災害のリスクが上昇し、長期的なリスク判断が困難になったということが要因となっているようです。

 

国交省の調査によると、65%のマンションが何らかのトラブルを抱えており、そのうちの約31%が建物の不具合を抱え、建物のトラブルの約半分は水濡れという結果になっています。マンションの約10%は水濡れトラブルがあるということになります。

 

水濡れトラブルは、給排水管などの劣化が原因で起こる場合が多く、築20年以上のマンションが全体の半数を占めるようになり、マンションの老朽化が進んだことが背景のひとつとなっています。

 

日経新聞によれば、ある大手損保会社の過去5年間のマンション総合保険の保険金の支払額は数倍に増加、各社数十億前後の赤字とのことです。老朽化したマンションに対する保険金の支払いが増えていることで、高経年のマンションでは一部補償を引き受けない保険会社もでてきているようです。

 

また、地震保険についても3段階に分けた改定の最中で、2017年1月に1回目の改定が行われており、2019年1月に2回目の改定が決まっております。さらに、3回目の改定は2021年頃に行われると予想されています。一部値下がりする地域はあるものの、全国的には値上がりとなり、該当する場合には対策が必要です。

 

地震や火災、水災、盗難、漏水など、マンションは多くのリスクにさらされています。さらに、近年の異常気象により、そのリスクはますます大きくなっていると言えます。近い将来、マンション管理におけるリスクマネジメントの手段のひとつである「マンション総合保険」は、大きな転換期を迎えるのではないでしょうか。(P.V)

[2018年9月公開]

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