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マンションにおける給水方法

東日本大震災以降も着々と増え続けているマンション。分譲マンションであってもワンオーナーマンションであっても戸数に関係なく、戸建ての住宅と同じように蛇口をひねれば水が出てきますが、このように水が出る仕組みをご存知でしょうか。

 

マンションにおける給水方式を大別すると、「貯水槽方式」と「直結方式」に分類できます。「貯水槽方式」とは、その名の通り、水道本管からの水を一旦水槽に貯めてから、各戸へ給水する方式で、「直結方式」とは水道本管と各戸を直接結ぶことです。さらに、「直結方式」には、水圧を変えない「直圧直結方式」と水圧を上げる「増圧直結方式」があります。

 

この二つの方式には、それぞれメリットとデメリットがあります。

 

従来、多くのマンションで採用されていた「貯水槽方式」のメリットとしては、事故や災害などで水の供給が止まった際に、貯水槽内に残っている水を使用することができます。デメリットしては、いったん貯水槽内に貯めるため、どうしても水の品質が落ちてしまいます。また、貯水槽の定期的な点検や清掃などの維持管理が必要となり、コストが掛かってしまいます。仮に、維持管理を適正に実施しないと、経年劣化や人為的ミスなどにより、貯水槽内に異物が紛れ込んだり、雑菌が繁殖したりすることにより、健康被害が発生するなどの危険性が増します。

 

これに対して、直結方式のメリットとしては、蛇口まで直接水道本管からの水が届くので、品質が維持された状態で水を利用することができます。また、貯水槽の点検や清掃も不要となります。デメリットとしては、事故や災害時等に断水してしまうと、一切水を使うことができなくなってしまうことが挙げられます。

 

近年、東京都水道局では、「東京水」という名称で、水道水を安全でおいしい水としてアピールし、「直結方式」を推奨しています。貯水槽を撤去した後のスペースの有効活用、不要になる給水ポンプによる電気料金の削減、などといった様々なメリットが生まれることもあり、既存の高経年マンションでも、「貯水槽方式」から「直結方式」への変更を行う事例が多くなっています。

 

竣工後20年を経過すると建物の血管である給排水管の老朽化が進み、漏水事故も増加してきます。管理組合様やオーナー様は、配管の補修や配管自体の交換を検討することになりますが、その際に給水方式の変更も検討項目のひとつに加えてみるべきではないでしょうか。

 

建物の寿命から逆算し、残りどの程度の年数使用することができるのか、長期修繕計画をもとに多方面から検討材料を出すこと、さらには給水方式の変更だけではなく、給水ポンプや付帯設備を撤去した場合の電力契約の変更など、その後の省エネ提案にまで繋げていくことが専門家である私たちの役目であると考えています。(M・F)
[2014年04月公開]

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