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区分所有マンションとファシリティマネジメント
景気回復基調の影響もあり、相変わらず区分所有マンションのストック数は増えています。このような状況の中、区分所有マンションの管理において、専門家の立場で支援を行うマンション管理会社は、寡占化の一途を辿っています。
一方で、マンション管理の主体者である管理組合においては、管理費を支払っているのだから、契約しているマンション管理会社にすべてお任せという管理組合がまだまだ多いのも現実です。そのような中、自分たちの「住まい」であるマンションを主体的に、より良くしていこうという意識を持った管理組合が少しずつ現れてきました。
そもそも、マンションは区分所有者の方々のかけがえのない「住まい」であるとともに、貴重な「資産」であるはずです。ファシリティマネジメントにおいて、区分所有マンションをその対象として取り上げられる機会は、あまり多くありませんが、マンション管理にこそ、ファシリティを資産と捉え、その資産を有効に経営戦略的視点から総合的かつ統括的に企画、管理、活用するというファシリティマネジメントの考え方が必要なのではないでしょうか。
このような観点で、マンション管理を俯瞰してみると、専門家の立場で支援を行うマンション管理会社は管理組合のキャッシュフロー、資産状況などといった貴重な情報を把握した上で、マネジメントサイクルを回す支援ができるということから、まさに、区分所有マンションのマネジメントは、ファシリティマネジメントの理想的な対象であると断言できます。
すなわち、マンション管理会社は、管理組合の資産管理はもちろんのこと、管理費滞納問題への対応や長期修繕計画の立案、工事履歴・報告書の保全、さらには建て替えや一括売却などに向けて、専門的な見地から長期的な視野による計画立案を行い、管理組合に提案し、定期的に計画の見直しを行っていく責務を負っていると言っても過言ではありません。
従来の「場当たり的な対応」では、区分所有者の貴重な資産であり、ひいては社会的な資産としての区分所有マンションをマネジメントすることは困難です。
きちんとマネジメントサイクルを回し、効果的かつ効率的に、資産であるマンションをマネジメントする。その必要性に気づく管理組合がますます増え、それを実現できるだけの知識やスキルを持った専門家が、より一層、必要とされるようになる。現在顕在化しているマンションを取り巻く様々な課題を考えると、そのような状況に早期に変わって行くことが、期待されるようになっていくのかもしれません。(M・F)
[2014年05月公開]
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