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電力小売自由化
原子力発電所の再稼働や廃炉が盛んに議論されるなか、電力について、様々な改革が進められていることをご存知でしょうか。
2013年4月2日に閣議決定された「電力システムに関する改革方針」を踏まえ、第一弾改正となる電気事業法改正法が2013年11月13日に成立。2015年を目途に、広域的運営推進機関が設立されることとなりました。現行制度では送配電網の整備計画策定や需給管理は区域ごとに行うことが原則ですが、広域的な運用を可能にするため、新たにこの広域的運営推進機関を創設することとなりました。これにより、周波数変換設備などの増強が促されるとともに、北海道から東京に風力によって発電された電気を送るなど再生可能エネルギーの広域活用が進む見通しです。また、需給ひっ迫時には、広域的運営推進機関が区域を越えた電気の供給(電力融通)や個別の発電所への焚き増しの指示をすることにより、停電が生じにくくなるようです。
そしてこの度、電力システム改革の第二弾になる「小売全面自由化」の法案が衆院本会議で可決されました。2016年を目途にこれまで電力会社が独占していた家庭向けの市場を開放するのと同時に、事業者を発電・送配電・小売の3区分に再編して、競争を促進するのが狙いと見られます。
そもそも、電力自由化、または電力市場の自由化とは、従来独占とされてきた電気事業において市場参入規制を緩和し、市場競争を導入することを指します。電気料金の引き下げや電気事業における資源配分の効率化を進めることを目的としており、具体的には、誰でも電力供給事業者になることができる(発電の自由化)、どの供給事業者からでも電力を買えるようにする(小売の自由化)、誰でもどこへでも既設の送・配電網を使って電気を送・配電できるようにする(送・配電の自由化)、既存の電力会社の発電部門と送電部門を切り離すことで競争的環境を整える(発送電分離)、電力卸売市場の整備、などといったことが挙げられます。
原子力発電所が停止している現状では、既存の発電設備では供給が追い付かなくなってきています。また、技術の進歩により新しい発電技術や発電設備が開発されていることも電力小売自由化への移行を推し進めているものと考えられます。
永らく電力会社が独占してきた電力事業ですが、このように、今後ますます自由化が進むと予想されます。自由化されるということは、選択肢が増えることです。そういった状況の変化の中で、私たちは、新たな選択肢を様々な観点から評価・検証し、個別条件を踏まえた慎重な意思決定を行うための専門的な見地からの情報提供を行なっていく役割を担っていきたいと考えています。(M・F)
[2014年06月公開]
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