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サービス付き高齢者向け住宅

2011年10月に施行された「高齢者の居住安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」の改正により、高齢者住宅の基準が明確となりました。その中で、新たに「サービス付き高齢者向け住宅」(以下、「サ高住」という)が設定され、国の供給計画では、2020年までに60万戸の「サ高住」を登録することを目標としています。補助金や税制の優遇などの支援策が組まれており、基準さえ満たしている住宅であれば、異業種からの新規参入も可能なため、新たな民間事業者の参入が加速しています。

 

では、「サ高住」とは、どのようなものでしょうか。基本的には、24 時間対応の定期巡回・随時対応サービスなどの介護サービスと組み合わせて、地域で安心して住み続けることができる住宅、即ち、施設です。

 

施設には、①一部屋の床面積が25㎡以上で、バリアフリーであること、②状況把握(安否確認)サービスを提供すること、③生活相談サービスを提供すること、高齢者の居住の安定が図られた契約であることなどの要件を満たし、登録手続きを取れば、事業者・個人問わず事業をスタートでき、補助金などの支援を受けられます。

 

「サ高住」は、デンマークの政策を参考にしています。デンマークは、教育と医療と介護は全て無料という世界有数の福祉国家ですが、1988年に日本で言う特別養護老人ホームにあたる「プライエム」の供給を全面的に禁止し、「サ高住」にあたる「プライエボーリ」の供給に切り替えました。「プライエム」は、ケアがセットになった依存・受動型の施設であるのに対し、「プライエボーリ」は、終の棲家でありながらも、適度なケアを提供する自立・能動型の住宅に近いものです。この切り替えには、国家財政の負担軽減と、高齢者の自立の尊重、そして、解消されない「プライエム」への待機者を解決するための施策でした。日本でも現在は、特別養護老人ホームなどの施設が高齢者向けの住宅よりも戸数は多いですが、受け入れが十分にできているとは言えず、42万人にもおよぶ待機者がいると言われています。この待機者を少しでも解消する手段として、「サ高住」は、非常に注目を集めているのです。

 

しかし、補助金や税制の優遇などの支援策があるからという安易な考えでは、高品質な「サ高住」を運営することは困難でしょう。運営者は、「サ高住」の社会的責任や期待を理解したならば、常に、運営状況を評価し、さらなる品質向上に努めなければなりません。まさに、ファシリティマネジメントの考え方を取り入れなければならないと言っても過言ではないでしょう。(P.Sちか)
[2013年9月公開]

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