FM TOPICS
災害に強いまちづくり
3年前の東日本大震災以降、私たちのメールマガジンでも関連するトピックスをいくつか紹介させて頂きましたが、今回は、「災害に強いまちづくり」について考えてみます。
災害に強いまちとは何でしょう。災害にも耐えられるように、建築物の耐震化・不燃化や、道路・橋梁・河川の整備、ライフラインを強化し、都市の根本的な安全性を高める。このことが「災害に強いまちづくり」の最終目標であると考えられがちです。しかし、東日本大震災のような想定を超えた災害が発生した場合、それでも限界があります。
そこで重要になってくるのが、「減災」ということになります。減災とは、災害に対する備えとして、被害を出さないことを目指すのではなく、災害による被害をできるだけ小さいものにとどめることを目指すことを言います。
例えば、東京都では、災害発生時において避難、救急消火活動などを行う道路が建築物の倒壊により通行できなくなることを防止するため、沿道の建築物の耐震化を推進する条例(※1)や、帰宅災害発生時に駅や道路に帰宅者が殺到し、混乱を未然に防ぐ条例(※2)などを制定しました。また、東日本大震災が起こる前になりますが、エレベーターの耐震化についても、閉じ込め事故を防ぐための法改正(※3)が行われました。これらは、まさに減災への取り組みと言えます。
帰宅困難者に水道水の提供、災害情報の提供、トイレの利用、などを行う災害時帰宅支援ステーションのステッカーが貼られたレストランやコンビニエンスストアをよく見かけるようになりました。この他、災害用自動販売機の設置や災害用の備蓄などを積極的に行う施設も増えてきました。
このように、減災への取り組みが進んでいますが、忘れてはならないことがあります。それは、地域住民相互の協力です。減災には、災害発生直後の救助や消火活動などが最も有効な手段です。阪神・淡路大震災で救助された方の多くは、地域住民の救助・救護活動によるものであったといわれています。
これらすべてがうまく機能している街こそが、「災害に強いまち」と言えるのです。
FM(ファシリティマネジメント)は、施設の根本的な安全性の強化するための施策を進めるとともに、施設と地域がともに助け合えるよう、災害防止に関する基礎知識や地域情報を提供することに努めるなど、「災害に強いまちづくり」の推進役となっていく必要があります。(P.Sちか)
※1 2011年3月施行、東京都緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例
※2 2013年4月施行、東京都帰宅困難者対策条例
※3 2009年9月施行、建築基準法施行令の一部を改正する政令
[2014年2月公開]
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