FM TOPICS
快適なオフィス環境
オフィス環境は、そこで働く人たちに、大きな影響を与えます。情報通信技術の著しい発展の中で、オフィス環境は、そこで働く人たちの疲労やストレスを低減させ、また、業務効率を向上させるべく、大きく変化してきています。
そこで今回は、快適なオフィス環境とFM(ファシリティマネジメント)について、考えていきます。
そもそも快適なオフィス環境という考え方は、1992年5月に労働安全衛生法が改正により、快適職場づくりが事業者の努力義務とされ、1992年7月には、厚生労働大臣により、「事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針」 (快適職場指針)が、公表されたことにより注目されるようになりました。この快適職場指針の目指すものが、仕事による疲労やストレスを感じることの少ない、働きやすいオフィスづくりです。
一方、FMは、ファシリティ(施設、土地など)を経営資源として見直すことにより、大きな価値を生み出させるとともに、それらのファシリティを利用する人の環境を最適な状態にするための経営管理手法といえます。
この二つが非常に似ているということに気が付くのではないでしょうか。つまり、快適なオフィス環境づくりを考えた場合、FMの手法は、まさに最適であるといえます。
興味深い事例があります。三重県の事例(※1)です。三重県では、FMの手法を用い、都道府県会館のオフィス改革を実践しました。当時の都道府県会館は、使い勝手悪く、施設の有効利用がはかられていませんでした。具体的には、来訪者との打ち合わせスペースの不足、的確に対応できないことを誘発するオフィスレイアウト、ほとんど利用されない知事室など、様々な問題がありました。これらの問題を解決するために、単にオフィスレイアウトを変えるだけでなく、新たな視点での業務改革、創造的に業務の展開をはかるという職員の意識改革までも視野に入れた総合的、抜本的な見直しを目的とする、まさにFMの手法を用いた取り組みを行いました。オフィスに対する職員の満足度や職員の在席状況などの調査の後、改善すべき事項を検討し、ほとんど利用されない知事室の廃止や来訪者への応対環境の向上などを含む、オフィス環境の改善を実施しました。その結果、事後に行った職員の満足度調査では全項目におけるポイントが、事前を上回ったばかりでなく、職員の意識改革が進んだ結果、ペーパーレス化や業務スピードのアップなどの業務改革も進みました。
FMの手法を用いた取り組みにより、快適なオフィス環境を実現するにとどまらず、業務効率の向上までをも創出した好事例といえるではないでしょうか。(P.Sちか)
※1 詳細は、三重県総務部管財課HP http://www.pref.mie.lg.jp/KANZAI/HP/fm/index2.htm参照。
[2014年3月公開]
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