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資金計画を伴う外壁補修工事
目黒区自由が丘にある築40年超のマンションでは、前回実施した大規模修繕工事から18年が経過しており、建物各所で外壁のひび割れや爆裂、防水層の劣化等の症状が顕著に見受けられ、早急な大規模修繕工事の実施が必要でした。
しかしながら、理事役員の固定化や区分所有者の高齢化などの背景から積極的な組合運営が図れず、計画的な修繕積立金の改定がされていませんでした。そのため、管理組合の財政状況は逼迫しており、大規模修繕工事に必要な額の修繕積立金は積み立てられていないばかりか、未収金問題などにより、借入をしても必要資金が確保できない状況でした。
そこで私たちは、解決していかなければならない課題の洗い出しをおこない、それらの優先順位付をするところから取り組むことにしました。
まずは、外壁タイルの全面打診調査です。このマンションは、人通りの多い通りに面しており、1階部分にはコンビニエンスストアなどのテナントがあります。近年、外壁からの漏水が頻発しており、劣化の進行により、タイルが剥落する危険性が予想されました。調査の結果では、やはり広範囲にわたりタイルの浮やひび割れが確認されました。
次に、修繕積立金の改定です。当マンションの修繕積立金は竣工当初から改定されておらず、国土交通省が策定している「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」に規定されている平均値の半分以下でした。そこで理事役員の方々に対して、外壁の調査診断結果を基に、修繕積立金の改定が外壁補修工事実施に必要不可欠であることを具体的に説明することで、理事役員の方の理解を得ることができました。
また、未収金問題については、法的手段を視野に入れた提案を行う過程において一定の改善策の目途を立てることができました。
そして、2017年7月に開催された通常総会において、修繕積立金等の増額改定、工事範囲を大幅に見直した外壁補修工事の実施、それに伴うリフォーム融資の議案を上程したところ、無事承認を得ることができました。その後は、増額改定された修繕積立金の未納もなく、順調に工事資金を蓄えることができ、この2018年9月無事に工事を完了することができました。
本件のような高経年マンションでは、このようなケースが今後増えてくることが予想されます。計画的な維持保全が理想的ですが、個々のケースの実情に合った柔軟な提案を模索していくことが重要であることを改めて認識することができました。(P.V)
[2018年12月公開]
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