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常駐管理から非常駐管理へ
今回は私たちがマネジメントする新宿区にある賃貸オフィスビルで、管理員の常駐から非常駐に管理形態を変更した事例をご紹介します。
このビルでは、管理員が日中常駐(以下、「常駐管理」)して施設に関する不具合などの一次受付、簡易対応などを行っています。管理員の方はオーナー様が直接契約され、長期にわたって業務をご担当されていたため、私たちがマネジメントをする上においても頼りになる方でしたが、この度、高齢であることを理由に退職されることとなりました。
実は、以前から管理員の常駐管理について、施設の規模や費用対効果などの観点から検討すべきではないかとの議論が度々されていました。また、始業時間が早朝であること、施設管理の経験者など雇用条件も厳しく、次の人員確保が困難になることが予想されたため、これを機に、オーナー様のご意向にも合わせて、常駐管理から非常駐管理への変更を検討することになりました。
非常勤管理には懸念される問題が3点ありました。1つ目は清掃員がテナント始業前に専有部に入室する際の解錠対応、2つ目は設備に不具合などが発生した際の一次対応、3つ目は郵便物の配布作業です。
この問題を解決すべく、私たちは現時点で最適と考えられる非常勤体制案を作成し、業務仕様などを含めてオーナー様に提案を行いました。
まず、清掃員の専有部入室については、管理員への信頼ありきでテナント不在時の解錠が許されていた経緯から、次の管理員または清掃員による同じ対応の継続は困難と判断して、テナント従業員の在室時に清掃員が入室する形態に変更しました。
次に、不具合発生時の一次対応については、私たちのパートナーを手配することでリカバリーを図ることとしました。常駐管理の迅速性には及ばず、オーナー様は緊急時に不測のコストを要することになりますが、現状、不具合が頻発しているわけでもなく、そのコストが管理員の人件費を上回るものではないという検証結果から、オーナー様の承認を得られました。
最後に郵便物配布作業については、従来、郵便局員が管理員に全館分の郵便物を手渡し、管理員が各テナントに配布するという形がとられていましたが、私たちが郵便局と交渉を行い、郵便局員によるテナントへの直接配布、または郵便受けに投函をしてもらうように調整しました。これに合わせて郵便受けのテープ跡などをきれいに除去して美観を向上させました。
管理員が不在になることは、入居するテナントに不便をお掛けすることにもなります。私たちは、オーナー様に同行して全テナントを訪問し、丁寧に事情説明を行い、皆様からご理解いただくことができました。
変更当初は清掃時間の調整など多少のイレギュラー対応を要しましたが、今日まで大きなトラブルもなく数ヶ月が経過しました。今回の管理形態の変更によって、オーナー様は外部への委託業務は増えたものの、管理員の雇用コストを削減したことで、トータルで約50%ものコストダウンを図ることができました。
今回の事例のように、私たちはファシリティが持つ課題に対して、慣習や既成概念にとらわれることなく、状況の変化に応じてオーナー様の立場に立った変革を提案することも、ファシリティマネジメント業務のアウトソーサーである私たちの役割のひとつと考えています。(KOB)
【2021年7月公開】
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