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マンション専有部玄関ドア交換工事

東京都足立区にあるマンションでは、玄関ドアおよび窓サッシについて老朽化を懸念する居住者の声が大きくなってきました。竣工後40年を過ぎた頃から、玄関ドア、窓サッシのガタツキや開閉不良、すきま風など、居住者の不安要素が顕著になっていたのです。

 

こうした声を踏まえ、改修工事を検討しましたが、莫大な費用が発生するため、国などの助成金を利用しても資金が全く足りませんでした。そこで玄関ドア改修工事と窓サッシ改修を分けて計画案を見直したところ、玄関ドア改修分は資金的に可能である、との判断に至りました。

 

40年以上前のマンションには、団地型といわれる扉が多く使用され、その薄い鋼板でできた扉からは、断熱性や遮音性の効果が低いものが使用されております。どのマンションでも、この玄関ドアを使用している方からは、外の音がよく聞こえる、暖房をかけると結露で水滴が大発生する、すきま風で寒い、など多くの意見を聞きます。従来は、サッシや玄関ドアを交換するときには、サッシ、扉枠の周りにあるコンクリート部分をはつり、溶接で固定されている箇所まで取り除くため、作業には大きな振動や騒音、粉塵などが発生します。それらを抑制するためには、さらに高額な費用となり、全所帯分の玄関扉を交換することが困難でした。

 

そこで私たちは、扉枠を破壊せずに扉交換ができる「カバー工法」を提案しました。カバー工法とは既存のドア枠をそのまま使用し、上から新たなドア枠と玄関ドアを取り付ける工法です。この工法では、大きな振動や騒音もなく、交換作業時間も1世帯当たり2~3時間程度と短時間で工事が終えることができます。

 

新たなドアは、遮音性に優れており外部と内部からの騒音を大幅にカットし、気密性も大幅にアップしたため隙間風もなく、室内の冷暖房効率もよくなりました。ドアの開閉も従来のノブを回して開ける方式からプッシュプル式に変更したことで、引手も大きく、外側からは引くだけ、内側からは押して開閉ができ、子供や高齢者でも操作が簡単にできます。鍵も二重ロックとなり防犯性も向上しました。さらに地震時の枠のゆがみなどでドアの開閉ができなくなるリスクを大幅に軽減できる耐震用丁番も兼ね備えていますので、いざというときに非常に安心です。

 

今回は、資金面から玄関ドアの交換工事のみとなりましたが、マンションの外観も良くなり、住まいの快適性に大満足していただきました。建物の築年数に合わせての改修工事提案も必要ですが、居住者からの声を第一として、より良い暮らしのお手伝いをしたいと考えています。(369)

【2021年9月公開】

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