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マンション大規模修繕工事

マンションは建物本体および付属施設、その他様々な建築設備で構成されています。

建物を形成する一部である玄関ひさしの防水性能の劣化や付属施設である駐輪場の屋根の破損、建築設備の非常照明器具の不点灯、このような様々な劣化は発生後、その都度速やかに修繕が行われ、適正に機能回復が図られる必要があります。

 

こうした 共用部の修繕に備えるため、修繕積立金の制度があり、それにより適正に維持管理されるしくみとなっています。

 

この修繕において、一大事業となるものが12年~15年周期で実施する外壁補修をメインとする「マンション大規模修繕工事」です。

 

私たちが契約を受託している、品川区に位置する12階建て、総戸数104戸のマンションは竣工から36年を迎え、3回目の大規模修繕工事を計画する時期となりました。過去2回の経験値から、2014年12月の総会における管理組合様の発意と計画始動に時間は要しませんでした。

 

しかしながら、過去2回のそれとは大きく異なる「2020年 東京オリンピック」という社会背景があります。2020年が近づくにつれ高騰する修繕工事コスト、次に消費税の増税予測という逆風もあり、事業計画策定に費やす時間には制限を設ける必要性がありました。

 

2015年1月、日々高騰傾向の修繕工事コストおよび2017年4月に実施予定とされる消費増税、この2点を重要なファクターとして、私たちは前回の大規模修繕工事から13年目となる2016年中の工事着工と完了を目標期限とするスケジュールを提案しました。その予算は優に1億円を超えるものであり、工事に際しては事前の新税事務や近隣対策も容易ではありません。

 

私たちは臨時総会での審議、その後の事業実施を勘案し、事業計画策定に要する期間を10ヶ月と想定、綿密なスケジュールを提示した後、管理組合様の理解と協力を得て、計画策定の実務サポートを開始しました。

 

まず、初回ミーティング時にメンバー全員に資料を綴るバインダーを準備し配付しました。概ね1回/月開催のミーティング毎の資料を、その都度、ファイリングしていただくことにより、メンバー全員の情報共有レベルを上げ、作業の後戻りや課題審議の重複を極小化するためです。

 

こうしたミーティングと並行して、全区分所有者に計画策定の進捗状況を発信するニュースレターの発行を重ねていきました。その結果、2015年11月の臨時総会において第3回目の大規模修繕工事計画案が承認され、2016年2月1日に無事着工することとなりました。

 

2016年8月の完工時には、安全かつ快適な建物に生まれ変わったことを管理組合様と共に喜びあいたいと考えています。(P.V)

[2016年5月公開]

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