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避雷設備の更新

避雷針は、落雷の時に雷を誘導して地面に放電させることで、建物を雷撃の被害から守るための設備です。建築基準法の第33条において、高さ20mを超える建築物には有効な避雷設備を備えなくてはならないと定められています。

 

今回は、神奈川県藤沢市湘南台の駅前に位置する65世帯のファミリータイプマンションでの避雷針更新工事の事例を紹介します。

 

このマンションは、築33年を迎えており、管理組合では第3回目の大規模修繕工事の実施を検討していました。そこで、私たちは理事役員の方々に対して建物の正確な劣化状況を把握することが必要であることを説明し、建物の劣化診断調査の実施を提案しました。

 

理事役員の方々も、その必要性をすぐに理解して頂き、総会承認を経て、大規模修繕工事の事前準備としての建物調査を実施しました。私たちはその調査結果によって、屋上塔屋の壁面に設置されている長さ15mを超える避雷針を支えているボルトの劣化が顕著で、風などでも揺らいでいる状態であることを確認しました。

 

早速、その状況を理事会に報告したところ、理事役員の方々は避雷針の一般的な耐用年数15年を大幅に超えていることや安全性および管理責任の問題を考慮すると、極めて緊急性の高い事案であると理解を得ることができましたが、大規模修繕工事との関連性を勘案するとどのように対処すべきかについては議論の余地がありました。

 

避雷針は一般的に、屋上の外壁立ち上がり部分に金属製の支柱を設置しますが、このマンションの避雷針は、かなり大型の避雷針のため、本体金額だけでなく、設置する際に必要となる仮設足場代も通常よりも高額になることが予想されました。

 

そこで私たちは、今回は避雷針の交換ではなく、屋上の笠木などの部分に導線を新設する工法が有効ではないかと考えました。これにより自然災害などの影響により避雷針が倒れる心配もなく、避雷針設備の点検も容易に実施できるようになります。また、導線を新たに敷設することについては、大規模修繕工事の施行上も問題ない事が確認できました。もちろん、避雷針と同じ性能を発揮するので、マンションの景観や資産価値の向上にも繋がります。

 

早速、この状況を分かりやすく資料にまとめ、理事会にご提案したところ、理事役員全員の賛同が得られ、総会において議案上程し、承認を得ることができ大規模修繕工事に先行し、避雷針更新工事の実施を決定しました。

 

近年は、観測史上、想定外という言葉がよく天候被害の表現に使われています。このような近年の気候変動を考えた場合、今回採用した導線を敷設する方式は、安全性に優れているばかりでなく、費用対効果の高い工法といえるでしょう。(P.V)
[2017年11月公開]

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