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助成金を活用したPCB処分
PCBとは、ポリ塩化ビフェニル化合物の総称です。化学的にも安定な性質を有することから、施設に設置されている電気設備の絶縁油や蛍光灯の安定器など様々な用途で利用されました。しかしながら、このPCBを慢性的に摂取することにより体内に徐々に蓄積し、深刻な健康被害を引き起こすことが報告されています。
このため、社会的にPCB の早期処理が求められたことから、2001年に関連法規である「PCB廃棄物適正処理推進特別措置法の制定及び環境事業団法」の一部改正が行われました。これにより、PCB 廃棄物を保管する事業者は2016年7月までにPCB廃棄物を処分することが義務付けられましたが、当初の想定よりもPCB廃棄物が大量に存在することが判明したことや、処理の進捗も想定より遅れていることなどを踏まえ、2012年12月に政令が改正され、最終処理期間は2027年3月末までに延期されました。
PCB廃棄物の処分には許可業者による適正な処分が必要です。東京都では、PCB保管事業者などに計画的な処分を指導し、2021年までにPCB処分を行う事業者には、助成金を交付しPCB廃棄物の確実かつ適正な処理の推進に努めています。
私たちがマネジメントしている1979年築の港区の賃貸用オフィスビルでは、キュービクルと呼ばれる電気設備の部品の交換時期に差し掛かり、多額の費用が発生することが想定されていました。2010年の調査では、交換すべき部品に微量PCBが混入していること判明しており、他にも破壊検査をしなければPCB混入の可能性を否定できない部品もあり、苦慮している状況でした。
そこで私たちは、助成金制度を活用し、電気設備の更新とPCBの処分をすることを提案しました。私たちはオーナーを代行して、役所の折衝、書類の準備など煩雑な作業を行い、申請を進め、処分費の約2分の1を助成金で補うことができました。
実際の作業は、11月の下旬に深夜0時から朝7時に行われました。キュービクルが屋上にあるため、巨大なクレーンを搭載した特殊車両が必要となり、道路を封鎖しなければ作業を行えない状況でした。この時間帯でなければ道路使用許可が下りなかったという理由もありますが、テナントへの負担を最小限に抑える目的もありました。事前に近隣一帯との協議など、多くの時間を事前の準備に費やした結果、大きなトラブルなく、電気設備の更新を行うことができました。
まだまだ多くの施設に、PCBを含んだ設備や機器が使用もしくは保管されていると想定されます。私たちが、施設のオーナーにPCBの円滑な廃棄処分を提案していくことは、オーナーの資産を守るだけでなく、将来の社会に負の遺産を遺さないためにも重要であると考えています。(Gt.)
[2018年2月公開]
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